前回シビックタイプR FD2の純正車高×純正ホイールにワイドトレッドスペーサーを装着したビフォーアフターをご紹介しました。

今回の記事ではワイトレの取付方法・取外し方法の手順・注意点をご紹介します。
使用した道具一覧
ワイトレの取り付け・取り外し作業を安全かつ確実に行うためには、適切な道具の準備が欠かせません。
作業途中に足りない道具を買出しに行かずに済むように事前に以下のアイテムを揃えておきましょう。
| 道具名 | 使用用途 |
|---|---|
| ジャッキ | 車体を持ち上げるため |
| リジットラック(馬) | ジャッキアップした車体を固定し、作業中の落下を防ぐ安全上の必須アイテム |
| クロスレンチ | ホイールナットやワイトレ付属ナットの脱着 |
| トルクレンチ | 規定の締め付けトルクでナットを締めるため |
| ワイヤーブラシ | ハブのサビや汚れを落とすため |
| パーツクリーナー | ワイヤーブラシと共に密着性を高めるため |
| スレッドコンパウンド | ハブリングの固着を防ぐため |
| マイナスドライバー | ワイトレ装着時のFrブレーキ固定のため |
作業前にホイールの逃げを確認
ワイトレを取り付ける前に、必ず確認しておかなければならないのが「ホイール裏の逃げ(窪み)」です。
薄型のワイトレ(15mm〜20mm程度など)を装着する場合、車両の純正ハブボルトがワイトレの厚みを超えて表面に飛び出すことがあります。
ホイール裏面にこの飛び出したハブボルトを避けるための「逃げ(窪み)」がないホイールの場合、ボルトがホイールの裏側に干渉し、ホイールがハブ面に密着しません。最悪の場合は脱輪の恐れがあります。

ワイトレの取り付け方法
手順①:ジャッキアップとホイールの取り外し
まずは車体をジャッキアップしてホイールを取り外します。このとき、ジャッキをかける位置を間違えると車体を傷めてしまうため、必ず車種ごとのジャッキポイントに正しくジャッキをかけてください。
また、万が一の落下事故を防ぐため、必ずリジットラック(馬)をかけて車体をしっかり安定させましょう。

せっかくホイールを外すので、ついでにホイールの裏側を洗浄したり、ブレーキパッドの残量やドライブシャフトブーツの破れがないかチェックしておきましょう!

手順②:ハブ面の清掃(ガタツキ・ゆるみ防止)
ホイールを取り外したら、ワイトレを装着する前にハブをきれいに掃除しておきましょう。ハブ面にサビや汚れが残ったままワイトレを取り付けてしまうと、面同士がキレイに密着せず、走行中のガタツキやナットのゆるみといったトラブルの原因になります。
ハブの磨き上げには専用の研磨ツールがあると便利ですが、持っていなくてもワイヤーブラシがあれば対応可能です。浮き出たサビや固着した汚れをワイヤーブラシでゴシゴシと丁寧且つ根性で削り落とします。

手順③:ワイトレの装着と適切なトルク管理
清掃が終わったら、ワイトレ本体を取り付けていきます。
対角線上に仮締めしてガタツキがないよう取り付けます。その後規定の120N・mでトルクレンチを使って締めればOKです。

リヤはサイドブレーキが利いているので取付時にトルクをかけても動きませんが、フロントはフリーで動いてしまいます。これでは締め付けできないので、下の画像のようにローターのディスク部分にマイナスドライバーを突き刺して固定します。
突き刺す場所は、右フロントの場合はキャリパーの上(前進しない位置)、左フロントの場合はキャリパーの下(後退しない位置)です。

スレッドコンパウンドの使用方法
取り付け時には、ハブリングの固着防止のためにハブリング部分へスレッドコンパウンドを塗布しておきましょう。


ワイトレを取り外す際にハブボルトが固着して苦労するケースもあり、ネット上では「ボルトにもスレッドコンパウンドを塗っている」という事例をちらほら見かけることがあります。しかし、ワイトレの取扱説明書には「ボルト部分には油脂類を塗布しないこと」と明確に記載されています。
ボルトに塗ってしまうと締め付けトルクが狂い、オーバートルクや緩みの原因になって大変危険ですので、メーカーの指示どおりボルトには塗らないようにしましょう。

手順④:ホイールの取り付けと最終確認
ワイトレが取付できたら、最後にホイールを取り付けます。事前に確認したホイール裏の「逃げ」がしっかり機能し、ワイトレとホイールの間に隙間やガタツキがなく、ピッタリ密着していることを確認します。
問題がなければホイールナットを対角線上に仮締めし、車体をゆっくりジャッキから下ろします。最後に、トルクレンチを使って規定トルクでホイールナットを均一に最終締め付けすれば、取り付け作業は完了です。

ワイトレの取り外しで固着に悩んだら…
取り外しは取り付け手順の逆です。困るとすれば、ハブリングの固着です。なかなか外れなくて大量の時間を浪費したり絶望したり、かなり苦戦する場合もあると思います。
そんな時は下記を試してみてください。
ゴムハンマーで叩く
まずはハブリングの側面をゴムハンマーで優しく「コンコン」と振動を与えるように叩いてみましょう。軽度の固着であれば、これだけでパラッと浮いて外れることがあります。
ラスペネ(浸透潤滑剤)を吹きかける
固着部分(ハブとの境界)に浸透潤滑剤の「ラスペネ」を吹きかけます。そのまま5分ほど放置してオイルを奥まで浸透させたら、再度ゴムハンマーでコンコン叩きます。驚くほどスムーズに取り外せることがあります。
KURE5-56よりもWAKO’Sのラスペネの方が強力なので圧倒的にこちらがおすすめです。
ラスペネなどの潤滑油を使用した場合は、必ずパーツクリーナーで念入りに脱脂・洗浄してください 。
ホイールを再装着して揺さぶる
ハンマーで外れない場合は、取り外したホイールをもう一度ハブボルトに戻し、ホイールナットを2〜3個手締めで軽くかけておきます(落下防止のため)。
その状態でホイールの上部や左右を手でガタガタと強く揺さぶってみてください。これで意外と外れることがあります。
まとめ
最後に、今回解説したワイトレの取り付け・取り外しにおける重要ポイントをおさらいしましょう。
- 道具と安全対策: ジャッキアップ時は必ずリジットラックを使用し、締め付けはトルクレンチを用いて規定トルクで管理する。
- ホイール裏の”逃げ”の確認: ワイトレ装着時に飛び出す純正ハブボルトを逃がす窪みがホイール裏にあるか必ずチェックする(逃げがないと密着せず脱輪の恐れあり)。
- ハブの清掃: ガタツキや固着を防ぐため、装着前にワイヤーブラシとパーツクリーナーでハブのサビや汚れを落とす。
- 油脂類の塗布ルール: ハブリングの固着防止にはスレッドコンパウンドを使用するが、ハブボルトへの塗布は取説の指示に従いNG(トルク管理が狂うため)。
- 固着時の対処法: 外れない時はゴムハンマーで叩くか、ラスペネを吹いて5分放置してからゴムハンマーで叩くか、それでも駄目ならホイールを仮付けしてガタガタ揺らす。

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