平成スポーツカー vs 令和スポーツカー【時代の変化と車の進化】

つぶやき

1990年代から2000年代にかけて、
日本のスポーツカーは世界を熱狂させました。

トヨタ スープラ(A80)、
日産 スカイラインGT-R(R32/R33/R34)、
マツダ RX-7(FD3S)など、
平成時代には数々の名車が誕生し、
「日本
の黄金期」
とも呼ばれるほどです。

しかし、時代は令和へと移り変わり、
自動車業界は環境規制や電動化の波にさらされています。

そんな中でも、トヨタ GRスープラ(A90)、
ホンダ シビックタイプR(FL5)、
日産 フェアレディZ(RZ34)など、
ハイパフォーマンススポーツカーが
続々と登場し、進化を続けています。

では、平成と令和のスポーツカー、
それぞれの魅力とは何なのか?
それぞれの時代の変化と車の進化について
比較しながら検証していきます。

平成と令和のざっくり振り返り

出来事
1989・ユーノスロードスター発売
・日産 スカイラインGT-R(R32)発売(RB26DETT+アテーサE-TS)
1990・ホンダ NSX発売
(オールアルミボディのスーパースポーツ)
・三菱 GTO発売
(4WD+4WSの高性能GTカー)
・F1日本GPにて鈴木亜久里が3位表彰台
1991・マツダ 787Bがル・マン24時間レース優勝
バブル崩壊
1992・スバル インプレッサ(初代)発売(WRX登場)
・ホンダ NSX タイプR発売
(軽量化&高性能チューン)
・初代ランサーエボリューション発売
1993・トヨタ スープラ(A80)発売
(2JZ-GTE搭載のハイパワースポーツカー)
・日産 スカイラインGT-R(R33)発売
(空力性能向上)
1994・スバル インプレッサWRX STI(GC8)発売
(WRCでの活躍)
1995
1996・三菱 ランサーエボリューションIVが
 アクティブヨーコントロールを採用
1997・トヨタ プリウス発売
(世界初の量産ハイブリッドカー)
・ホンダ シビックタイプR(EK9)発売
(FFスポーツの代表格)
・マツダ RX-7(FD3S)発売
(軽量・コンパクトなロータリーエンジン)
1998
1999・ホンダ インサイト発売
(軽量ハイブリッドカー)
・日産 スカイラインGT-R(R34)が登場
(最後のRB26搭載GT-R)
・トヨタ ヴィッツ が発売
(コンパクトカーブームのはじまり)
2000
2001・GMが燃料電池車「HydroGen3」を発表
(水素燃料電池の開発が進む)
・トヨタ エスエィマハイブリッド発売
(ミニバンのハイブリッド登場)
2002・ダイハツ コペン発売
2003・トヨタ 2代目プリウス発売
・テスラモーターズ設立(EVの時代が加速)
2004・F1アメリカGPにて佐藤琢磨が3位表彰台
2005
2006・トヨタ プリウスの世界累計販売台数が
 100万台を突破(HV市場拡大)
2007・トヨタがGMを抜き、世界販売台数1位に
(年間約936万台)
・日産 GT-R発売
 (速さを追求した2ペダルスポーツカー)
2008・テスラ ロードスター発売
(航続距離390km、EVスポーツカー)
リーマン・ショックで自動車業界に大打撃
2009・トヨタ プリウス(3代目)発売
(ハイブリッドブームを決定づける)
・ホンダ インサイト(2代目)発売
(ハイブリッド市場競争の激化)
2010・日産・リーフ(量産EV)発売
(世界初の量産EV、EV普及の先駆け)
・ホンダ・CR-Z発売(ハイブリッドスポーツカー)
2011東日本大震災
・トヨタ アクア発売
(コンパクトハイブリッドカーの大ヒット)
2012・トヨタ 86/スバル BRZ 発売
(軽量FRスポーツカーが復活)
・F1日本GPにて小林可夢偉が3位表彰台
・マツダ CX-5発売
(クリーンディーゼルエンジンという新たな選択肢)
2013・フェラーリ ラ・フェラーリ発売(V12+ハイブリッドのハイパーカー)
2014・トヨタ MIRAI発売(世界初の一般向け燃料電池車)
・ダイハツ コペン(2代目)の発売(軽スポーツカーブームの再来)
2015・トヨタ 4代目プリウス発売
2016・ホンダ クラリティ フューエルセル発売(MIRAIの競争相手)
・CASEが注目され始める(Connected/Autonomous/Shared/Electric)
・F1エンジンがNAから
 ハイブリッドダウンサイジングターボへ変更
2017・MaaSが注目され始める
(Mobility as a Service)
・ホンダ NSX(2代目)発売
(ハイブリッドスーパーカー)
2018・EUが2030年までにCO2排出量を
 37.5%削減する規制を発表(欧州でEVシフト加速)
・中国のEV市場が急拡大し、
 BYDなどの新興メーカーが成長
2019・トヨタ GRスープラ(A90)発売
(BMWとの共同開発、直6ターボ搭載)
・テスラ モデル3 発売
(世界中でヒットしEV市場拡大の象徴に)
令和元年
2020・トヨタ GRヤリス発売
(高性能ホットハッチでWRC復帰)
2021
2022・合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」設立
(次世代EVの開発)
・トヨタ bZ4X発売(トヨタ初の専用EV)
・日産 フェアレディZ(現行)発売
2023・トヨタ 水素エンジンカローラが
 24時間耐久レースに参戦
2024
技術革新のトレンド

1990年代:電子制御/安全技術の向上
2000年代:ハイブリッド/ディーゼル/EV
2010年代:電動化/自動運転の加速

1990年代は車に憧れなどの特別な感情を
抱いた若者が多い時代でした。
より馬力のある車、よりかっこいい車。
スポーツカーだらけの90年代に
青春を過ごしたかったです…。

2000年代は排ガス規制によって
スポーツカーが軒並み生産終了しました。
エコな時代が訪れて低燃費な車や
コンパクトカーが売れました。

2010年代は2000年代の低燃費な流れを
引き継いでハイブリッドカーを筆頭とした
電動車の開発が激化しました。
さらには自動運転の開発も世界中で
進められました。
※電動車:
 ハイブリッドカー/プラグインハイブリッド/
 電気自動車/水素自動車

1990年代のような車本来の運動性能を
評価して憧れる人は少なく、
車を移動手段とドライに捉える人が
一層増えた時代だったと思います。

人気モデルの比較(平成 vs 令和)

トヨタ スープラ

80スープラ

80スープラは1990年代を代表する
トヨタのスポーツカーであり、
他メーカーのスポーツカーよりも
大柄なボディが特徴的です。

名機2JZエンジンを搭載しており、
チューニングでもよく好まれます。

映画「ワイルド・スピード」に登場したことで
更に人気になり、中古市場ではターボ×MT車は
1000万円を超えるプレミア価格で取引されています。

90スープラ

90スープラは、2019年に17年振りの
スープラ復活となりました。
BMWとの共同開発で、エンジンやシャシーはBMW製です。

最近の車の特徴である
電子制御や高剛性ボディのおかげで
車重の割に軽快なコーナリングです。

80スープラのコックピットのような運転席
ドライバーをやる気にさせます。
90スープラの上品なインテリアよりも
僕は好きです。

80スープラからの進化

・同じ直列6気筒エンジンでも60馬力UP
・硬いシャーシと足回り、電子制御によるコーナリング性能

ホンダ シビック

シビックタイプR EK9

B16BというVTECエンジンが搭載されており、
高回転まで気持ちよく回るエンジン
令和では他に見られない特別な物です。

ボディも1,070kgと軽量なので
ホットハッチスポーツとして今でも人気の車両です。

これだけのこだわりが詰まった車が
当時200万円で購入できたのが羨ましすぎます。

シビックタイプR FL5

FL5はハイパワーなVTECターボエンジンです。

NA VTEC車のようなエンジンを回す喜びや
軽快なハンドリングは失われましたが、
ニュルブルクリンクでFF最速を目指して
開発された運動性能に加えて、
普段使いもできる実用性の高さが
長所
です。

最近は”ニュルで●分●秒”というのが
スポーツカーのステータスになっています。
グローバルスタンダードであるニュルでの
タイムがスポーツカーの世界販売における
指標となります。
平成初期は筑波や鈴鹿が指標でしたね。

また、昔のタイプRはサーキットを速く走るために
硬い足回りになっており、快適な街乗りとは無縁でした。

FL5はCOMFORT/SPORT/+Rモードを切り替えて
快適な街乗りとスポーツ走行を両立させられます。

シビックFD2オーナーとしては、
エンジンを回す高揚感が最高なNA VTECを
もう一度創って欲しいものです。

シビックEK9からの進化

・FF世界最速と言われる運動性能
・ドライブモード選択で街乗り運転も快適

トヨタ 86

86(ZN6)

スバル BRZと共同開発された
水平対向エンジンを積む小型FRスポーツカー。

約300万円で購入でき、40~50代だけでなく、
20~30代の若者の購入も多かったです。
名実共にAE86の再来でした。

誰でも気軽に乗れるスポーツカーである反面、
200馬力というパワーに物足りなさを指摘する声もありました。

GR86(ZN8)

86(ZN6)のパワー不足という欠点を補うために
2.4L・235馬力までパワーアップされ、
発進や中速域での扱いやすさが大幅に向上
しました。

さらにボディ剛性が高まり、
コーナリング中の安定感が格段に向上
し、
スポーツカーとしての完成度が高まりました。

86からGR86への進化の中には、
排ガス規制への対応もあります。
環境性能を高めた上でのエンジン出力アップ、
しかも車重は+40kgのみというのは
素晴らしい開発力だと思います。

86(ZN6)からの進化

・排ガス規制をクリアしながらエンジン出力UP
・AT車のみアイサイト搭載

日産 フェアレディZ

Z32

バブル期に開発されたスポーツカーです。
バブル期の車はmore powerがキーワードで、
中でもZ32は最新豪華装備がどんどん追加された車です。

その結果、車重は NAモデルで1,430kg、
ターボモデルで1,510kgとかなりの重量級です。

ちなみに2シーターと4人乗りの2by2では
ボディサイズやホイールベースが異なります。
とても凝った作りですね。

サイズ2シーター2by2
全長4310mm4525mm215mm
全幅1790mm1800mm10mm
全高1250mm1255mm5mm
ホイールベース2450mm2570mm120mm

RZ34

プラットフォームはZ33/Z34の改良版だが、
405PSの大パワーに対応するための
剛性アップが施されています。

外観はフロントがS30Z、
リアがZ32をオマージュしています。
令和で流行りの原点回帰デザインです。

Z32からの進化

・同じ排気量3000ccながら大幅パワーUP
・ACCや衝突被害軽減ブレーキを搭載し安全性

まとめ

平成~令和にかけての自動車業界の
振り返りで名車の誕生や技術開発について
見ました。

1990年代:
・電子制御/安全技術の向上
・より馬力のある車、よりかっこいい車。

2000年代:
・ハイブリッド/ディーゼル/EV
・低燃費な車やコンパクトカーが人気

2010年代:
・電動化/自動運転の加速
・電動車開発競争の激化

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